概 要

社号 式内社 但馬国出石郡 大生部兵主神社
読み:古 オホイフヘヒヤウズ、現 おおうべひょうず
江戸時代は「薬王寺天王社」「牛頭天王社」と称していた
所在地 兵庫県豊岡市但東町薬王寺字宮内848
旧地名 但馬国出石郡高橋郷大生部村
御祭神 武速素盞嗚命(スサノオ) 配祀 武雷命
『国司文書 但馬神社系譜伝』
素戔嗚命・武雷命・斎主命・甘美真手命・天忍日命
例祭日 5月3日 例祭 10月10日 例祭

社格等

古代社格制度『延喜式神名帳』(式内社)
山陰道:560座 大37座(その内 月次新嘗1座)・小523座
但馬国(タヂマ・たじま):131座(大18座・小113座)
出石郡(イツシ・いずし):23座(大9座・小14座)

近代社格制度 旧県社

創建     天武天皇12年社地を移して齋祀
本殿様式   王子造柿葺

境内摂社(祭神)

稲荷神社

一口メモ

薬王寺の神懸峠は、但馬から丹後・丹波・京都へ抜ける国境の峠の一つで、国道426号と東側には神懸峠があり、薬王寺の手前に桂小五郎が京から逃れて取り調べにあい難を逃れた久畑関所が置かれていた。出石藩の京街道だった現国道426号線が県道63号線と別れる但馬最東端の交通の要衝。

歴史・由緒等

祭神として素盞嗚命を祀り、用明天皇の皇子麻呂子親王勅を奉 じて牛頭天王も祀っている。

延喜式神名帳には、式内社大生部兵主神社がもう一箇所、豊岡市奥野にもある。
また、薬王寺に近い豊岡市但東町虫生(ムシュウ)にも式内社・阿牟加(アムカ)神社の論社安牟加神社があるが、全国で3か所「正始元年」三角縁神獣鏡がみつかっている森尾古墳の森尾にも阿牟加(アムカ)神社がある。ここも奥野の大生部兵主神社に近く、この二か所が似ている。

『国司文書 但馬神社系譜伝』
人皇四十代天武天皇の十二年冬十月、出石郡司・三宅連吉士神床・陣法博士大生部了(オホフベサトル)等これを勧請す。
御系譜 養父郡更杵村(現朝来市和田山町寺内字宮谷)大兵主神社の御神系に依る。

『国司文書 但馬故事記』第五巻・出石郡故事記
人皇四十代天武天皇四年秋七月朔
小錦上・大伴連国麿を以って大使と為し、小錦下・三宅吉士を以って副使と為し、新羅に差遣す。
十二年冬十月、三宅吉士神床は姓連を賜う。
是(これ)より先、夏閏四月、三宅吉士神床 勅を奉じ、子弟豪族を集め、兵馬器械を備え、陣法博士大生部了(オホフベサトル)を招き、武事を講習す。かつ兵庫を高橋村に設け、兵器を蔵(オサ)む。
大生部了は大兵主神を兵庫の側に祀る。
大兵主神は素戔嗚命・甕鎚命・経津主命・宇麻志摩(遅)地命・天忍日命なり。
延喜式神名帳 大生部兵主神社には論社4社ある。

大生部兵主神社 兵庫県豊岡市奥野1
大生部兵主神社 兵庫県豊岡市但東町薬王寺字宮内848
伊福部神社 兵庫県豊岡市出石町中村809
穴見郷戸主大生部兵主神社 兵庫県豊岡市三宅字大森47

本殿は王子造という珍しい造り。基本日吉造の屋根の左右にも破風(はふ)が設けられ、四方に破風がある。

境内・社叢

  
鳥居・社号標                    参道石段

  
拝殿・幣殿・本殿                 幣殿内から本殿


神楽殿(舞殿)

  
樹齢400年と推定されるご神木の杉の木

地名・地誌

地図

兵庫県豊岡市但東町薬王寺848

交通アクセス・周辺情報

参 考

但馬の神社と歴史三部作

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