社号 貴布祢神社総本宮 貴船神社(名神大 山城国愛宕郡 貴布祢神社)
読み:古 キフネ 現 きふね
所在地 京都市左京区鞍馬貴船町
旧地名 山城国愛宕郡
御祭神 磐長姫命(いわながひめのみこと)
古代社格制度『延喜式神名帳』(式内社)
畿内:658座(大231座・小427座)
山城国 式内社122座 大53座(並月次新嘗・就中11座預相嘗祭)・小69座(並官幣)
愛宕郡(オタキ) 21座(大8座・小13座)
式内社 山城国愛宕郡 貴布禰神社(名神大 月次/新嘗)
中世社格制度 二十二社(下八社)
近代社格制度 旧官幣中社
社格制度廃止後(現在) 別表神社
創建 不詳
本殿様式 三間社流造檜皮葺
境内摂社(祭神)
本宮から上流側300メートル道路沿いに参道がある。
全国に約450社ある貴船神社の総本社。地域名の貴船「きぶね」とは違い、水の神様であることから濁らず「きふね」という。
社殿は本宮・結社(中宮)・奥宮の3箇所に分かれて建っている。
結社(中宮)
結社(ゆいのやしろ)は、本宮と奥宮の中間、本宮から上流側300メートルの場所にある。その立地から中宮(なかみや)とも呼ばれている。
磐長姫命を祭神とし、縁結びの神として信仰される。磐長姫命が縁結びの神とされることになった理由として次のような伝承がある。天孫瓊瓊杵尊が磐長姫命の妹の木花開耶姫と結婚しようとしたとき、姉妹の父の大山祇命は、磐長姫命も共に奉った。しかし、瓊瓊杵尊は木花開耶姫とだけ結婚したので、磐長姫命はそれを恥じ、「縁結びの神として良縁を授けん」と言って当地に鎮まったという。
以前は、境内の細長い草の葉を結び合わせて縁結びを願っていたが、現在は植物保護のため本宮で授与される「結び文」に願文を書いて指定場所に結ぶことになっている。境内には、「磐長姫命の御料船」として平成8年に奉納された船形の自然石「天の磐船」が置かれている。また、後述の和泉式部の歌碑がある。
鎮座に関しては次のような伝承が残っている。
昔、瓊々杵尊(ににぎのみこと)が磐長姫(いわながひめ)、木花開耶姫(このはなさくやひめ)姉妹の内、妹の木花開耶姫を娶られる時、姉妹の父である大山祇命(おおやまつみのみこと)は姉の磐長姫も共に奉ろうとなさいました。
しかし、尊は木花開耶姫だけを召されたので、磐長姫は大いに恥じて、「我長くここにありて縁結びの神として世のため人のために良縁を得させん」といわれて、この地にお鎮まりになりました。
「結社」と呼ばれる由縁もこの伝承にもとづくもので、平安期にはすでにえんむすびの神様として霊験あらたかだと貴族から庶民に至るまでたくさんの人々が参詣したと伝えられている。えんむすびを願う人は、願いごとをしたためた「結び文」を結び合わせて祈願すると霊験あらたかで、生涯の幸福が得られると信仰を集めている。また、男女間の縁だけでなく、人と人、子授けなどあらゆる縁結びにあらたかだと伝えられており、就職、入学、企業間のえんむすびなど、様々な願かけのために訪れる参拝が後を絶たない。
※高おかみの神の「おかみ」という漢字は、。[Unicode:9F97] (雨かんむりに口を三つ、その下に龍)『貴船神社公式サイト』
社頭・掲示板 鳥居
拝殿・本殿
船形の自然石「天の磐船」
和泉式部歌碑
ものおもへば 沢の蛍も わが身より あくがれいづる 魂たまかとぞみる
(意訳:恋しさに悩んでいたら、沢に飛ぶ蛍も私の体から抜け出した魂ではないかと見える)
それに対して貴船明神が返したと伝えられる短歌
おく山に たぎりて落つる 滝つ瀬の 玉ちるばかり ものな思ひそ
(意訳:奥山にたぎり落ちる滝の水玉が飛び散るように、(魂が飛び散ってしまうほど)思い悩んではいけない)
が、後拾遺和歌集に収録されている。