4.神道の古語の意味

神社も神様や神社にまつわる物事には難しい旧字体の漢字が当てられていて、読み方が難しいので最初のうちはさっぱり分かりませんでした。

古来からの古神道は後から意味付けされたものも多く、その対象も森羅万象に及ぶので、必ずしも常に一定に当てはめることはできないが、古神道に始まり、現在への神道までの流れとして時系列や、漢字や日本語としての古語の意味などを考え、記述する。

尊(みこと) – 日本神話にある人格神(人と同じ姿形、人と同じ心を持つ神)

※日本語における「神」という言葉は、元々神道の神を指すものであった。ただし『日本書紀』にはすでに仏教の尊格を「蕃神」とする記述が見られる。16世紀にキリスト教が日本に入ってきた時、キリスト教で信仰の対象となるものは「デウス」「天主」などと呼ばれ、神道の神とは(仏教の仏とも)別のものとされた。しかし、明治時代になってそれが「神」と訳された。逆に外国において、神道の神を指す場合は「Kami」と略されて一般的な神とは区別されることが多く、英語版Wikipediaの項目名も「Kami」である。

語源

現代日本語では「神」と同音の言葉に「上」がある。「神」と「上」の関連性は一見するかぎりでは明らかであり、この2つが同語源だとする説は古くからあった。しかし江戸時代に上代特殊仮名遣が発見されると、「神」はミが乙類(kamï)、「上」はミが甲類(kami)と音が異なっていたことがわかり、昭和50年代に反論がなされるまでは俗説として扱われていた。

ちなみに「身分の高い人間」を意味する「長官」「守」「皇」「卿」「頭」「伯」等(現代語でいう「オカミ」)、「龗」(神の名)、「狼」も、「上」と同じくミが甲類(kami)であり、「髪」「紙」も、「上」と同じくミが甲類(kami)である。

神 (kamï)」と「上 (kami)」音の類似は確かであり、何らかの母音変化が起こったとする説もある。

カムヤマトイワレヒコ、カムアタツヒメなどの複合語で「神」が「カム」となっていることから、「神」は古くは「カム」かそれに近い音だったことが推定される。大野晋や森重敏などは、ï の古い形として *ui と *oi を推定しており、これによれば kamï は古くは *kamui となる。これらから、「神」はアイヌ語の「カムイ (kamui)」と同語源だという説もある。

「カム」には「交む」「組む」「絡む」「懸かる」「係わる」「案山子」「影」「鍵、鉤」「嗅ぐ」「輝く」「翳す」「首」「株」「黴(かび)」「賀茂、鴨」「醸す」「食む(はむ)」「生む」「這う」「蛇(ハブ、はふむし)」「土生、埴生(はぶ)」「祝(はふる)」「屠る(ほふる)」「放る」などの派生語がある。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』他

御霊(みたま) – 尊以外の神。個々の魂が寄り集まったものとしての神霊の形。

魂(たましい)・御魂(みたま) – 個々の人の命や人の心の態様。神の心の態様。

荒御魂(あらみたま) – 荒ぶる神のこと。
和御魂(にぎみたま) – 神和ぎ(かんなぎ)といわれる安寧なる神のこと。

神代・上代(かみよ・かみしろ) – 現世における神の存在する場所を指す。日本神話の神武天皇までの、現世にも神が君臨した時代を指すときは上代もしくは神世(かみよ)である。

神体(しんたい) – 古来からあり、神が常にいる場所や神そのものの体や、比較的大きい伝統的な神の宿る場所やもの。

神奈備(かんなび・かむなび・かみなび) – 神名備・神南備・神名火・甘南備とも表記し、神が鎮座する山や神が隠れ住まう森を意味する。

磐座(いわくら) – 神が鎮座する岩や山または、特に磐境としたときは神域や常世との端境である岩や山を指す。

神籬(ひもろぎ) – 神が隠れ住む森や木々、または神域や常世との端境。現在では神社神道における儀式としての神の依り代となる枝葉のこと。

御霊代(みたましろ)依り代(よりしろ) – 代(しろ)とは代わりであり、上記のほか神が一時的に降りる(宿る)器としての森羅万象を対象とした場所や物を指す。

巫(ふかんなぎ) – 神降ろしのことで、神の依り代となる人(神の人への憑依)を指す。

2.分 類
「自然崇拝」「精霊崇拝(アニミズム)」自然物や自然現象を神格化した神
最も古い、自然物や自然現象を神格化した神である。古代の日本人は、山、川、巨石、巨木、動物、植物などといった自然物、火、雨、風、雷などといった自然現象の中に、神々しい「何か」を感じ取った。生き物や人工物である道具でも、長く生きたものや、長く使われたものなどにも神が宿ると考えた。この感覚は今日でも神道の根本として残るものである。人びとは自然現象の中に、神々しい「何か」を感じ取っていました。自然は人々に恩恵をもたらすとともに、時には人に危害を及ぼします。古代人はこれを神々しい「何か」の怒り(祟り)と考え、怒りを鎮め、恵みを与えてくれるよう願い、それを崇敬するようになりました。これが後に「カミ(神)」と呼ばれるようになりました。
「先祖崇拝」古代の指導者・有力者の神格化
古くは部族の氏神として祖先、首長など人間神(須佐・大国主・八幡など)でしたが、天皇のことを戦前は現人神と呼び、神道上の概念としてだけでなく、政治上においても神とされていました。現在では、昭和天皇によるいわゆる人間宣言により政治との関わり、国民との関係は変わりました。しかし、神道においては天照大神(あまてらすおおみかみ)の血を引くとされる天皇の存在は現在も大きな位置を占め、信仰活動の頂点として位置付けられています。
また、その時代の有力者を死後に神として祭る例(豊臣秀吉=豊国大明神、徳川家康=東照大権現ど)や、権力闘争に敗れまた逆賊として処刑された者を、後世において「怒り・祟りを鎮める」という意味で神として祭る例(菅原道真=天神、平将門など)もこの分類に含まれます。
「神々習合」
集落ごとに部族が個々に固有の神を信仰していましが、それらの部族が交流したり共同体として一緒に生活するようになるにしたがって各部族の神が習合し、変容するようになっていきました。また、国家統一が進むに連れて、朝廷の天津神を合祀したりして、この神神習合が、後に仏教をはじめとする他宗教の神々をも受け入れる素地となっていきました。例:主祭神と祭神、摂内社(摂社)
3.神名(しんめい)
神名は、大きく3つの部分によって構成されています。
例えば天日槍命(アメノヒボコノミコト)の場合
1)神の属性:「アメ」ノ
2)神の名前:「ヒボコ」ノ
3)神号:「ミコト」
となります。
神名は、1.の部分を省略して呼ぶことがある。また、民俗学・神話学など学術的な場面では3.の神号を略すことが多い。
1)神の属性(「アメ」ノ)

最も多い「アメ」「アマ」(天)は天津神(あまつかみ)であること、または天・高天原に関係のあることを示す。「クニ」(国)は国津神(くにつかみ)を表すこともあるが、多くは天を表わす「アメ」のつく神と対になって地面もしくは国に関係のあることを示す。
天津神
天津神(あまつかみ)は高天原(たかまがはら)にいる、または高天原から天降った神の総称。
別天津神(ことあまつがみ)
古事記において、天地創発の時にあらわれた五柱の神々を云う。
三柱の神(造化の三神という)
天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)
高御産巣日神(たかみむすひのかみ)
神産巣日神(かみむすひのかみ)
その次に、国土が形成されて海に浮かぶくらげのようになった時に以下の二柱の神が現われた。この二柱の神もまた独神(対となる夫婦神を持たない神)として身を隠した。
宇摩志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ)
天之常立神(あめのとこたちのかみ)
別天津神の次に神世七代の神が現れた。最も初期に誕生し、その神性も特別扱いされる別天津神は、本来ならば天照大神(あまてらすおおみかみ)を凌駕するはずである。天照大神を高天原の最高神であるとし、またその子孫であると主張することによって自らの王権を権威付けたい天皇、ひいては朝廷にとって、これはいかにも都合が悪い。この矛盾を解消するために、古事記・日本書紀編纂の過程において別天津神は隠れたことにされた、と考えることができるだろう。つまり、存在はするが影響力は持たない“別格”としたのである。
同様に、神世七代の神である伊弉諾尊(いざなきのみこと)は素盞嗚尊(すさのおのみこと)を黄泉の国へ追放した後に身を隠しているし、伊弉冉尊(いざなみのみこと)は天照大神が生まれる前に亡くなっているため、やはり天照大神の最高神としての地位を脅かすことはない。
国津神
国津神(くにつかみ)は地に現れた神々の総称とされています。
日本神話においては、国津神のほとんどが天津神に支配される対象として扱われています。ヤマト王権によって平定された地域の人々が信仰していた神が国津神に、皇族や有力な氏族が信仰していた神が天津神になったものと考えられます。特に国津神については、日本神話に取り入れられる際に変容し、元々の伝承があまり残っていないものも多いです。日本書紀ではしきりにある文として伝承等を引用している点から、その記録文書は後世で失われてしまったようです。
「つ」は現代語の「の」のことで、天の神・国の神という意味です。「天つ神」「国つ神」と書くこともあります。漢字二字で天津神を「天神」(てんじん)、国津神を「地祇」(ちぎ)とも言い、併せて「天神地祇」「神祇」と言います。 ただし、高天原から天降ったスサノオの子孫である大国主などは国津神とされている。
2)神の名前(「ヒボコ」ノ)

末尾が例えば「チ」「ミ」「ヒ」「ムス」「ムツ」「ムチ」「ヌシ」「ウシ」「ヲ」「メ」「ヒコ」「ヒメ」などである。これらは、神神習合が起こる前の各部族での「カミ」を指す呼び名であったとも考えられる。「チ」「ミ」「ヒ」(霊)は自然神によくつけられ、精霊を表す(カグツチ、オオヤマツミなど。ツは「の」の意味)。「チ」より「ミ」の方が神格が高いとされている。「ヌシ」(主)「ウシ」(大人)は位の高い神につけられる(オオヒルメノムチ(アマテラスの別名)、大国主など。「ムス」(産)「ムツ」(親)「ムチ」(祖)は何かを産み出した祖神を表し「キ」「ヲ」(男)「シ」「コ」(子)「ヒコ」(彦・比古・毘古)は男神、「メ」(女)「ヒメ」(媛・姫・比売・毘売)は女神につけられるものである。特に「メ」のつく神は、巫女を神格化した神であるとされることが多い。「コ」は国造(ミヤツコ)小野妹子など、元は男性を表したが、藤原氏が女性名として独占し、近世までは皇后など一部の身分の高い女性しか名乗れなかった事から、現代では女性名として定着した。
3)神号(ミコト)

代表的なのは「カミ」(神)と「ミコト」(命・尊)です。「ミコト」は「御事」すなわち命令のことで、何かの命令を受けた神につけられるもの。現れた時の神号は「神(カミ)」です。
特に貴い神に「尊」、それ以外の神に「命」の字を用いています。特に貴い神には大神(おおかみ)・大御神(おおみかみ)の神号がつけられています。また、後の時代には明神(みょうじん)、権現(ごんげん)などの神号も表れました。

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