【日本神話】 第1巻「創世編」 第1章 天地の始まりと神々の誕生

 


第1巻 創世編

第1章 天地の始まりと神々の誕生

『古事記』には、天地がいかに創造されたかの記載はありませんが、「天地初発之時」(あめつちのはじめのとき)という冒頭は天と地となって動き始めたときであり、天地がいかに創造されたかを語ってはいません。

『日本書紀』によれば、太古、天地は分かれておらず、互いに混ざり合って混沌としていました。しかし、その混沌の中から、清浄なものは上昇して天となり、重く濁ったものは大地となりました。そして、その中から、神が生まれるのです。
やがて、天地の中に葦の芽のようなものが生成され、これが神となります。

以下、『古事記』
■天地開闢と造化三神の登場

天と地が初めて分れて、高天原(タカマガハラ)に出てきた神の名前はアメノミナカヌシ神(天之御中主神)、次にタカミムスビ神(高御産巣日神)、次にカミムスビ神(神産巣日神)です。この三柱の神は、奥さんや子供のいない独神で、姿かたちもありませんでした。世界の最初に、高天原(たかまがはら)に(あめのみなかぬしのかみ)が現れました。

■別天つ神 五柱(ことあまつかみ・いつはしら)

三柱の神(造化の三神)
天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)
高御産巣日神(たかみむすひのかみ)
神産巣日神(かみむすひのかみ)

続いて、二柱の神が生まれました。
宇摩志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ)
天之常立神(あめのとこたちのかみ)

この五柱の神は性別はなく、独身のまま子どもを生まず身を隠してしまい、これ以降表だって神話には登場しませんが、根元的な影響力を持つ特別な神です。そのため別天津神(ことあまつかみ)と呼びます。すべて独神(ひとりがみ)です。
国之常立神と豊雲野神も性別はなく、これ以降、神話には登場しません。

■神世七代(かみのよななよ)

引き続いて五組十柱の神々が生まれました。五組の神々はそれぞれ男女の対の神々であり、下のリストでは、左側が男性神、右側が女性神です。

世界の最初に高天原で、別天津神・神世七代という神々が誕生。これらの神々の最後に生まれてきたのが伊弉諾尊(伊邪那岐命・いざなぎ)と伊弉冉尊(伊邪那美・いざなみ)です。

男性神 女性神
宇比地邇神(うひぢにのかみ) 須比智邇神(すひぢにのかみ)
角杙神(つのぐひのかみ) 活杙神(いくぐひのかみ)
意富斗能地神(おほとのじのかみ) 大斗乃弁神(おほとのべのかみ)
於母陀流神(おもだるのかみ) 阿夜訶志古泥神(あやかしこねのかみ)
伊邪那岐神(いざなぎのかみ) 伊邪那美神(いざなみのかみ)

以上の七組十二柱を総称して神世七代(かみのよななよ)といいます。


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