【日本神話】 第2巻「高天原編」 第1章 アマテラスとスサノオ
■禊祓と三貴子の誕生
黄泉の国(よみのくに)から戻ったイザナギは、この後もさまざまな神々を生みました。イザナギは黄泉の穢れから身を清めるために、竺紫(つくし)の日向(ひむか)の橘の小門(をど)の阿波岐原(あはきはら:現在の宮崎県宮崎市阿波岐原町)で禊(みそぎ)を行いました。衣を脱ぐと十二神が生まれました。
最後に左の目からアマテラス(天照大神:日の神、高天原を支配)を、
右の目からツクヨミ(月読命:月の神、夜を支配)を、
そして鼻からスサノオ(建速須佐之男命・素戔嗚尊:海を支配)を産みました。
アマテラス・ツクヨミ・スサノオは三貴子(三貴神)と呼ばれ、イザナギによって世界の支配を命じられました。
神様だから男でも、どこからでも、子どもを産めるんですね。
■アマテラスとスサノオの誓約
スサノオは海を守る神様なのに、泣いてばかりいたので、怒ったイザナギはスサノオを海から追い出しました。そこで人恋しくなったスサノオは、高天原(たかまがはら)に住む姉のアマテラスを訪ねたのですが、ここでもせっかく耕した田を荒らしたり、機織り小屋に馬を投げ込んだりして、高天原では彼の乱暴ぶりにことごとく手を焼いていました。
山川が響動し国土が皆震動したので、アマテラスはスサノオが高天原を奪いに来たと思い、弓矢を携えて彼を迎えました。
スサノオはアマテラスの疑いを解くために、宇気比・誓約をすると言いました。二神は天の安河を挟んで誓約を行いました。
まず、アマテラスがスサノオの持っている十拳剣(とつかのつるぎ)を受け取って噛み砕き、吹き出した息の霧から以下の三柱の女神(宗像三女神)が生まれました。この女神は宗像(むなかた)大社に祀られていおります。
多紀理毘売命(たきりひめ・たぎりひめ) 別名:奥津島比売命(おきつしまひめ)。沖つ宮に祀られる。
市寸島比売命(いちきしまひめ・いつきしまひめ) 別名:狭依毘売命(さよりびめ)。中つ宮に祀られる。
多岐都比売命(たぎつひめ・たきつひめ) 辺つ宮に祀られる。
次に、スサノオが、アマテラスの「八尺の勾玉の五百箇のみすまるの珠」を受け取って噛み砕き、吹き出した息の霧から以下の五柱の男神が生まれました。
左のみづらに巻いている玉から、正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命(まさかつあかつかちはやひあめのおしほみみ・あめのおしほみみ)
『日本書紀』では天忍穂耳命
右のみづらに巻いている玉から天之菩卑能命(あめのほひ)
『日本書紀』では天津彦根命
天之菩卑能命、天穂日命、天菩比神などと書かれる。
かづらに巻いている玉から天津日子根命(あまつひこね)
左手に巻いている玉から活津日子根命(いくつひこね)
活津日子命(『古事記』)あるいは活津彦根命(『日本書紀』)と記される。
右手に巻いている玉から熊野久須毘命(くまのくすび)
これによりスサノオは、「我が心清く明し。故れ、我が生める子は、手弱女を得つ。」と勝利を宣言しました。
引用:ウィキペディア
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