【日本神話】 第3巻「出雲編」 第3章 オオクニヌシ物語 八十神の迫害・ 根の国訪問

八十神の迫害(兄神たちの迫害)

オオクニヌシノカミ(オオナムヂ)の兄弟である八十神(ヤソガミ)たちは因幡のヤガミヒメに求婚するが、ヤカミヒメはプロポーズした兄たちには見向きもせず、オオクニヌシノカミを夫に選びました。

おもしろくない兄たちは、いっそのことオオクニヌシノカミを殺してしまおうと計画を立てたのです。
オオナムヂを伯岐国の手前の山麓につれて来て、オオクニヌシノカミをイノシシ狩りに連れ出し、山の上から追い出した赤イノシシを、下で待ちかまえて捕まえるように命じました。 ところが、その赤イノシシは、兄たちがイノシシに似た大きな石を火で真っ赤に焼いたものだったのです。

素直なオオクニヌシノカミは、言われた通り、山の上から落ちてきた大きな赤イノシシを体で受け止めたため、全身に大やけどをおい、とうとう亡くなってしまったのです。

母神による再生

オクニヌシノカミの母は、息子の死を嘆き悲しみました。

なんとかして生き返らせたいと高天原(たかまがはら)へ上り、オオクニヌシノカミの命を助けてほしいと頼みました。 すぐに貝の神様であるキサガイヒメとウムギヒメがかけつけ、秘薬をつくって、母とともに大やけどをしたオオクニヌシノカミの全身に塗りつけました。 そのおかげでオオクニヌシノカミは息を吹き返し、元気な姿を取り戻したのです。

スサノオノミコトによる試練
オオクニヌシノカミの母は、兄たちの仕打ちからオオクニヌシノカミを守るため、祖先のスサノオノミコトが住む根の国へオオクニヌシノカミを行かせました。 そこでスサノオノミコトはオオクニヌシノカミを鍛えるため、ヘビの部屋やハチとムカデの部屋に寝泊まりさせましたが、スサノオノミコトの娘であるスセリヒメの手助けによって、無事にやり過ごすことができました。

スサノオノミコトはほかにも数々の試練をオオクニヌシノカミに与えましたが、オオクニヌシノカミはそれらをすべてくぐり抜け、より強くなって、スセリヒメと結婚して出雲へ帰り、国づくりを始めたのです。
オオクニヌシノカミは、 ヤカミヒメやスセリヒメだけでなく、何人ものヒメとも結婚し、たくさんの子どもたちをもうけました。

2009/09/06
社団法人島根県観光連盟・島根県観光振興課


関連

Loading

0件のコメント

コメントを残す

アバタープレースホルダー

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA