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現在、日本神話と呼ばれる伝承は、そのほとんどが『古事記』、『日本書紀』および地方各国の『風土記』にみられる記述をもとにしています。高天原の神々を中心とする神話がその大半を占めていますが、その一方で出典となる文献は決して多くはありません。
本来、日本各地にはそれぞれの形で何らかの信仰や伝承があったと思われ、その代表として出雲(神話)が登場しますが、倭(ヤマト)王権の支配が広がるにつれて、そのいずれもが国津神(くにつかみ)または「奉ろわぬ神」(祟る神)という形に変えられて、「高天原神話」の中に統合されるに至ったと考えられています。
また、後世までヤマト王権などの日本の中央権力の支配を受けなかった北海道や琉球にはそれぞれ独自色の強い神話が存在します。自分達の世界がどのようにして生まれたか。このことは古代人にとっても大きな問題でした。『古事記』、『日本書紀』の最初の部分は世界誕生のころの物語となっていますが、『古事記』と『日本書紀』との間で、物語の内容は相当に異なります。
さらに、『日本書紀』の中でも、「本書」といわれる部分の他に「一書」と呼ばれる異説の部分があります。これはヤマト王権が各国の伝承・特産などを調べ『風土記』として提出させたのですが、このようにして、神々の誕生の神話は1つに定まっていないので、公平に一書として併記しているのは、すでに当時、日本は民主国家的であったということをすさしているとも思えます。
『古事記』(和銅5年(712年)は一般に一つのストーリーとなっている歴史書で、『日本書紀』(養老4年(720年)に完成)は、対外向け正史といわれていていますが、特に有名な出雲神話・日向神話(天孫降臨)は古事記以外の伝承も記載しました。
記紀などにおいて神代(かみよ 神の時代、神話時代)として記された神話は、以下の通りです。神代は、神武天皇の在位する以前までの時代のことである。
『古事記』によれば、世界のはじまった直後は次のようであった。
『古事記』の「天地初発之時」(あめつちのはじめのとき)という冒頭は天と地となって動き始めたときであり、天地がいかに創造されたかを語ってはいないが、一般的には、日本神話における天地開闢のシーンといえば、近代以降は『古事記』のこのシーンが想起される。
『日本書紀』における天地開闢は、渾沌が陰陽に分離して天地と成ったという世界認識が語られる。
続いてのシーンは、性別のない神々の登場のシーン(巻一第一段)と男女の別れた神々の登場のシーン(巻一第二段・第三段)に分かれる。
また、先にも述べたように、古事記と内容が相当違う。さらに異説も存在する。
ここでは神社に祀られる御祭神の由来と関係のある神話に絞って、できるだけ簡潔に解説することを心がけております。
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