式内 佐香神社(松尾神社)
Contents
概 要
社号 出雲国楯縫郡(タテヌヒ):9座(並小) 佐香神社
読み:古 サカ、現在 さか
江戸時代は「松尾大明神社」「松尾神社」と称していた
所在地 島根県出雲市小境町108
旧地名 出雲国楯縫郡(タテヌヒ):9座(並小)
御祭神
主祭神 久斯之神(くすのかみ) …酒造りの太祖
配祀
天津彦彦火瓊瓊杵尊(あまつひこひこほににぎのみこと)
大山咋命 (おおやまぐいのみこと)
木花咲耶姫之命(このはなさくやひめのみこと)
百八十神等(ももやそがみたち)
例祭日 10月13日
社格等
『延喜式神名帳』(式内社)
山陰道:560座 大37座(その内 月次新嘗1座)・小523座
出雲国 187座(大2座・小185座)
楯縫郡(タテヌヒ):9座(並小)(タテヌヒ):9座(並小)
近代社格制度 旧郷社
創建
本殿様式 大社造変態 栃葺
境内摂末社(祭神)
疫神社・武内神社・寳殿社・種痘神社・稲荷神社・松尾神社
一口メモ
小境町は、現在は出雲市だが、松江市と境にあるかつての平田市の東端。日本酒発祥の地と伝えられている。
歴史・由緒等
出雲国風土記(天平5年2月)に、「佐香郷。都家の正東四里一百六十歩なり。佐香 の河内に百八十神等集い坐して、御厨立て給いて、酒を醸させ給いき。即ち百八十日 喜讌して解散坐しき。故、佐香という。」とある。
現在、当神社が鎮座されている小境は、出雲国風土記の「佐香」が転訛して、「古佐 香井・古酒井・古酒恵・濃酒井」となったものといわれている。主祭神の「久斯之神」は、いわゆる、「薬師の神」であり、さらに、出雲国風土記の古事にあるように、「酒造の神」でもある。また、「醸す」とは、ただに、酒を醸造することのみでなく、醤油・米酢・味噌等を醸造することでもある。
一方、大山咋命は、世に言う「山を護る神様」で、森林業、鉱山業の守護神である。
配祀神である天津彦彦火瓊瓊杵尊は、「海を護る神様」で、漁撈豊漁の神であるとともに、海上運航安全の神として広くあがめまつられている。
木花咲耶姫之命は、縁結びの神であり、安産の神である。
社殿の造営には、古来より、国造・国主の命によってなされており、国造・国主はもちろんのこと、藩主松平公ならびに、巡見使等、ことのほか崇敬されていた。これは、現在、社宝とされている鎧一領および文箱一式が、松平家より奉納されていることでもうかがわれる。
10月13日は秋季大祭である。この日を前後して、翌年2月ごろまで、酒造りの「杜氏」ならびに、各種醸造の関係者の参拝はあとを絶たない。しかも中国5県は言うに及ばず、遠く四国・九州・神戸の灘地域からも参詣され、御霊験はますますあらたかである。
明治29年11月19日付、勅令第287号酒造税法施行規則第45条に依り、「濁酒年一石以下無税」の許可を得て今日にいたり、大祭当日は、一般参拝者一同、この神酒を戴いて、家内安全、五穀豊穣を祈るのである。
佐香川の清き流れを汲む人は世にもまれなる酒醸すらん(千家尊紀)
千代八千代神世ながらに佐香の山ふるきみ山を仰ぐ尊さ(北島全孝)-「社頭掲示板」-
日本最古の酒造場 佐香神社
「出雲国風土記」に出雲の佐香郷にたくさんの神々が集まって酒を造り、長い間、毎日のように宴会をしたとあり、日本酒発祥の地と伝えられています。
出雲の国には酒造免許を持つ神社が2件あります。出雲大社と佐香神社です。そもそも出雲の酒は神社から始まったもので、神様に酒を供え神事の後に御神酒を頂き、神様との一体感を感じることが飲酒の目的であったようです。主食が米を原料とする宿命上、一般の人々が日常の楽しみとしてお酒が飲めるようになったのは、ごく近年の事なのです。 楯縫之郷」(現在の島根半島西部、平田市)の中にある神々の酒宴の記述は日本最古の酒造りの記述で、その舞台となったのが、佐香神社です。現在も10月 13日の大祭には濁酒を醸し盛大なお祭りが行われています。醸造の神様として酒造家・杜氏をはじめ、味噌・醤油製造の方たちからも深い信仰を集めています。
「日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会」
境内・社叢
一の鳥居 二の鳥居・三の鳥居
社頭掲示板 手水
来待石「構え獅子型」の狛犬
手水舎
拝殿前 来待石「お座り型」狛犬
拝殿 本殿
疫神社・武内神社・寳殿社・種痘神社・松尾神社 稲荷神社
武内神社
地名・地誌
小境
小境は、出雲国風土記の「佐香」が転訛して、「古佐 香井・古酒井・古酒恵・濃酒井」となったものといわれている。
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