二十二社 (上七社)・名神大 平野神社

投稿者: kojiyama 投稿日:

Contents

概 要

社 号 式内社 山城国葛野郡 平野神社(名神大 月次/新嘗)
読み 古 ヒラノノ 現 ひらの
所在地 京都府京都市北区平野宮本町1
旧地名 山城国葛野郡
御祭神第一殿 今木皇大神(いまきすめおおかみ) 源気新生、活力生成の神
第二殿  久度大神(くどのおおかみ) 竈の神、生活安泰の神
第三殿 古開大神(ふるあきのおおかみ) 邪気を振り開く平安の神
第四殿 比賣大神(ひめのかみ) 生産力の神
(諸説あり)光仁天皇の妃高野新笠とする説もある
例祭日 4月2日

社格等

古代社格制度『延喜式神名帳』
畿内:658座(大231座・小427座)
山城国 式内社122座 大53座(並月次新嘗・就中11座預相嘗祭)・小69座(並官幣)
葛野郡[カトノ]:20座 大14座 小6座
式内社(名神大)月次/新嘗

正一位(今木神・六国史終了時)
正三位(久度神・古開神・六国史終了時)
従四位上(合殿比咩神・六国史終了時)

中世社格制度 二十二社(上七社)
近代社格制度 旧官幣大社
社格制度廃止後(現在) 別表神社

神紋:桜
創建   延暦13年(794)平安京遷都に際して創建
本殿様式 本殿二棟 比翼春日造(平野造) 桧皮葺

境内摂社(祭神)

玉垣内本殿南 摂社 縣(あがた)社
拝殿北側 西から春日社、住吉社、蛭子社、八幡社の末社。
参道には出世導引稲荷社、猿田彦社の二社

文化財

本殿 2棟 重要文化財(国指定)

一口メモ

西大路沿いにある。北野天満宮のすぐ北。西大路通り東に大きな鳥居が見え、こちらに車を止めたが、こちらは裏入口で、正面参道は東に面している。

歴史・由緒等

奈良時代末期の延暦元年(782)『続日本紀』に「田村後宮の今木大神に従四位を授ける」とあり、平城宮の宮中(桓武天皇の父光仁天皇の御所)に祀られていました。
ここ平野の地には、延暦13年(794)平安遷都と同時にご遷座されました。
当初境内地は方八町余(平安尺で1500m四方)で、現在の京都御所とほぼ同じ大きさでしたが、時の変遷とともに現在の200m弱四方となりました。

平安時代になるとご祭神は急に位が上がり、貞観6年(864)年には今木皇大神が正一位(神様の位で最高位)の位を授けられました。その前年貞観5年(863)には久度大神・古開大神に正三位、比賣大神は従四位上に叙せられています。

延喜式神名帳によれば、全国唯一の皇太子御親祭が定められた神社です。同式の「神祇官式・祝詞」には「皇大御神・皇大神」と称され、また「東宮坊式」には「神院」という宮中神と同様の扱いを受けております。『文徳天皇実録』仁寿元年(851)は勅使を「平野神宮」に遣わすとあります。全国でも数社に限られる「皇大御神・皇大神」「神宮」、宮中神である「神院」これらの尊称から宮中外の宮中神であったことが窺えます。また明治4年(1872)には官幣大社に列格しております。

奈良時代末期から「臣籍降下(しんせきこうか・皇族が源氏、平氏などの姓を賜り臣下になること)」の制度が定まり、臣籍降下した源氏・平氏をはじめ、高階・大江・中原・清原・秋篠各氏ほか天皇外戚の氏神であるとされ、臣籍降下の流れを汲む公武に尊崇(そんすう)されました。当社が宮中外に祀られたのは、この臣籍降下と深く関わっているようです。『源氏物語』の光源氏は臣籍降下した一族の繁栄を願った平野大神の顕現(けんげん)であるとの説も一理あるようです。
江戸期には平氏嫡流(へいしちゃくりゅう)の公卿(くぎょう)、西洞院家(にしのとういんけ)が伝奏家(天皇に取次言上する役)を勤め、現社殿の復興をしました。

【異説】

〇中世期、仁徳天皇が平野の神であるという説が広く信じられていました。これは仁徳天皇が民家の烟(煙)が立たないのをご覧になり、免税したという逸話を当社の竈神に付加した説です。

〇江戸期に、国学者の伴信友(ばんのぶとも)が諸作『蕃神考(ばんしんこう)』で、「今木神は百済王なり」との誤った説を、根拠となる資料を改竄して唱えました。今でもこの説を敷衍した説が時々出されますが、学問上では否定されています。

ー『神社公式サイト』ー

境内・社叢

  
東大鳥居                  社号標

  
西大鳥居                  社号標

  
境内                    手水舎

  
神門 参拝時間を過ぎていて閉まっていた。参拝は次の機会に・・・  瑞垣(玉垣)


本殿

境内社

  

猿田彦神社

拝殿の北側には境内社として、西から春日社、住吉社、蛭子社、八幡社

地名・地誌

地 図

交通アクセス・周辺情報

京都市営バス「衣笠校前」バス停下車 (下車後、北に徒歩3分)

参 考

『神社公式サイト』、『延喜式の調査』さん


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