式内 酒垂神社
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概 要
社 号 式内社 但馬国城崎郡 酒垂神社
読み: 古 サカタレ 現 さかだる
所在地 兵庫県豊岡市法花寺字長楽寺725-1
旧地名 但馬国城崎郡三江郷
御祭神 酒弥豆男命(さかみずおのみこと)、酒弥豆女命(さかみずめのみこと)
『国司文書 但馬故事記』には、酒つくりの祖・酒解子神(さかとけごのかみ)、大解子神、小解子神
例祭日 10月15日
社格等
古代社格制度『延喜式神名帳』
山陰道:560座 大37座(その内 月次新嘗1座)・小523座
大37座(就中一座月次新嘗)小523座
但馬国(タヂマ・たじま):131座(大18座・小113座)
城崎郡[キノサキ]:21座 大1小20
近代社格制度 旧村社
創建 伝:白鳳三年(675)
本殿様式 一間社流造
一口メモ
JR豊岡駅を東に950 mの立野橋(交差点) を直進して 国道312号線 に入り、2.0 kmで庄境(交差点) を左折してそのまま 国道312号線 を進む。150 mで鎌田(交差点) を右折してコウノトリの郷公園が南にある県道160号線 に入ると2.5 km。2006年8月12日以来、再訪。
歴史・由緒等
創祀年代は不詳。
境内案内によると、白鳳三年(675)の夏、当地方を治めていた郡司・物部韓国連久々比命が贄田の酒所を定め、酒解子神・大解子神・子解子神の酒造神を祀って醸酒し、これを祖神に供えて五穀豊穣を祈願した。その斎殿が、当社の発祥であるという。
この社伝は『国司文書』に依るもので信憑性に疑問があるため[4]、不明とする外ない。としているが。
祭神は、杜氏の祖神、酒造司の守護神である酒美津男命と酒美津女命。
別名、大倉大明神とも大蔵大明神とも記され、拝殿扁額にも「酒垂神社」と並んで「大蔵大明神」の名が掲げられている。
境内の左右に境内社が三社。
境内左手には、赤い鳥居の稲荷社と八幡社。
右の境内社は山ノ神社(あるいは山ノ口社)。
境内案内によると、白鳳三年(675)の夏、 当地方を治めていた郡司・物部韓国連久々比命が 贄田の酒所を定め、酒解子神・大解子神・子解子神の酒造神を祀って 醸酒し、これを祖神に供えて五穀豊穣を祈願した。 その斎殿が、当社の発祥であるという。
祭神は、杜氏の祖神、酒造司の守護神である 酒美津男命と酒美津女命。 別名、大倉大明神とも大蔵大明神とも記され 拝殿扁額にも「酒垂神社」と並んで「大蔵大明神」の名が掲げられている。
酒弥豆男命と酒弥豆女命という酒の神をまつる酒垂神社。本殿は2本の柱で一間をつくる一間社流造の構造で、国の重要文化財に指定されている。現在は保護のために上屋で覆われている。永享10年(1438)に斧始め、嘉吉元年(1441)に立柱、文安元年(1444)に遷宮、体裁を完備したのが、宝徳元年(1449)で、前後11年をかけて建てられた建物。但馬考には、三江郷の祇典所はこの酒垂神社のみである。どちらも中嶋神社とともに古社で、久々比命を祭神とする久々比神社が下宮という地名にあるから、こちらが上宮であろう。
おもしろいのは、中嶋神社と同じ大工の手によってつくられている。記録によると大伴久清という宮大工によって建てられており、細部にわたってすぐれた意匠が凝らされています。
大伴久清という大工の苗字・大伴は、今も三江地区に分布している大伴姓と関係があるかも知れません。江戸時代に入って修理を担当した藤原勘右衛門は、明らかに下宮の人でした。その修理技術は優秀で、原型を損なうことなく修復している。
[4]『国司文書』は天延3年(975)に陽侯真志訶という者が撰述したものといい、疑わしい書とされるが、そこに古伝を認める説もある(今井啓一『天日槍』、綜芸舎、昭和41年)。としているが、これは櫻井勉氏「候補但馬考」によるものであろう。同様にこの『国司文書』を偽作扱いする人もいるようだ。しかし、どうやら「国司文書・但馬故事記」の訳註書『但馬故事記-但馬国司文書・下』吾郷清彦氏は、「兵庫県(出石)の郷土史家桜井勉は、枝葉末節にこだわり、但書を偽作視するが、情けない限りだ。がいして学者なるものは、ひとたび自説を発表するや、自説を曲げず、他説をそしる傾向がある。」としている。私も国府の役人が数百年かけて公文書として古伝・口伝を収集して、一切私意を加えていない『国司文書 但馬故事記』を偽書扱いするのは無礼極まりないと同意見である。
愛知県一宮市木曽川町に同じく酒弥豆男命、酒弥豆女命をご祭神とする酒見神社があるが、あまり神社はなく、お酒の神としては、大山祇神・その子・酒解子神の方が一般的だ。
酒解子神は、酒解神(大山祇神(おおやまつのかみ))の御子・で木花咲耶姫命 (このはなさくやひめのみこと)の別名とされる。松尾大社(京都市西京区嵐山宮町)は大山祇神、梅宮大社(京都市右京区梅津フケノ川町)は酒解子神が御祭神。
境内・社叢
社叢 社号標
神社由来碑
こけらぶきの本殿は、鮮やかな朱塗りが修理の跡を物語るが、すっぽりと覆い家の中 に収まり、覆屋のこの囲いがあったからこそ、本殿も数百年の風雪に耐えてきたと変に納得 させられた。
割拝殿 本殿
本殿と覆屋
境内社
酒垂神社のかめ石
境内入り口の左右にある瓶(かめ)石。狛犬はなく、酒をくみ入れるかめが置かれているのもお酒の神様らしい。瓶石の回りの石の囲いの寄贈者は、北但酒造組合の蔵元で、香住酒造(現(株)香住鶴)、竹泉田治米合名、雪の梅友田酒造、酒造りは廃業されたけれど、うちの町で発売されていた「竹正宗 日高酒造(有)」さんも刻まれている。
地名・地誌
地図
Last updated 2006年08月12日
交通アクセス・周辺情報
県立コウノトリの郷公園
参 考
『延喜式の調査』さん、他