式内 斐伊神社
Contents
概 要
社 号 式内社 出雲国大原郡 斐伊神社
『出雲国風土記』 「樋社」(在神祇官社)
江戸時代は「宮崎大明神」
読み:古 ヒ、現 ひい
所在地 島根県雲南市木次町里方字宮崎463
旧地名 出雲国大原郡
御祭神
素盞嗚尊(すさのおのみこと)、稻田比賣命(いなだひめのみこと)、伊都之尾羽張命(いつのおはばりのみこと)
合祀 式内社 出雲国大原郡 同社坐斐伊波夜比古神社
御祭神 樋速夜比古命 甕速日命 火炫毘古命 (樋速夜比古神社)
例祭日 例祭10月21日
社格等
『延喜式神名帳』(式内社)
山陰道:560座 大37座(その内 月次新嘗1座)・小523座
出雲国:大2座・小185座
大原郡(オホハラ):13座(並小)
近代社格制度 旧郷社
創建 不詳
本殿様式 大社造変態銅板葺
境内摂末社(祭神)
日宮八幡宮 祭神 誉田別尊 息長足媛命
足仲彦尊
稲荷神社 祭神 宇迦御魂神他三柱
合殿 甘原神社 祭神古那比売命
火守神社 祭神 迦具土命
一口メモ
雲南市木次町の式内木次神社から「出雲神話街道」と名づけられた国道54号線に入る。コンビニで缶コーヒーを買いに入ったついでに「斐伊神社はこの近くにあるみたいだけどどうやって行くんですか?」とたずねてみたが20代ぐらいの若い女性店員は知らなかったw里方交差点から大東町方面へ県道24号線を次の信号で右折し木次線の踏切を横切り山なりにしばらく走ると神社。社号の通りまさに斐伊川のすぐそばである。
歴史・由緒等
斐伊神社略記
1.祭神 須佐之男尊 稲田毘倍命 伊都之尾羽張命
合殿 樋通速夜比古神社 祭神 樋速夜比古命
1.由緒
本社の創立は甚だ古く孝昭天皇5年にご分霊を元官幣大社氷川神社に移したと古史伝に記載されている。
出雲風土記の「樋社」で延喜式に「斐伊神社同社座樋速夜比古神社」とある。天平時代に二社あったのを一社に併合したのであろう。他の一社は今の八本杉にあったと考えられる。「樋社」を斐伊神社と改称したのはこの郷の名が「樋」といったのを神亀3年民部省の口宣により「斐伊」と改めたことによる。延喜の制国幣小社に列せられ清和天皇貞観13年11月10日神位従五位上を授けられた。本社は中世より宮崎大明神と称えられ、地方九ヶ村の崇敬篤く明治初年までその総氏神としてあがめられた。明治4年5月郷社に列せられた。
明治16年馬場替えをし同40年5月日宮八幡宮稲荷神社を本社境内に移転し、境内末社とした。
昭和56年9月1日島根県神社庁特別神社に指定された。
昭和63年8月25日社務所を改築した。『出雲国風土記』には2つの樋社が記されるが、その1つが斐伊神社に比定される。もう1社の樋社(同社坐斐波夜比古神社)は八本杉のあたりにあったと考えられているが平安時代中頃には斐伊神社に合殿されていたと考えられている。主祭神は素盞鳴尊、稲田姫命、伊都之尾張命で、合殿された斐伊波夜比古神社の祭神は樋速比古命のほか二神となっている。斐伊神社は江戸時代には所在地の小字をとって「宮崎(埼)大明神」とよばれていた。
〈出典〉「木次町の史跡と文化財」(木次町教育委員会)
社頭掲示板「延喜式神社の調査」さん
御祭神の伊都之尾羽張命は初めて聞いた神である。
天之尾羽張(あめのおはばり)は、日本神話に登場する刀であり、また神の名前である。神名としては天之尾羽張神(あめのおはばりのかみ)という。別名 伊都之尾羽張(いつのおはばり)。
『古事記』の神産みの段において、伊邪那岐命が迦具土神を斬ったときに使った十拳剣の名前として登場する。その別名が天尾羽張であると記す。天尾羽張についたカグツチの血から、建御雷之男神などの火・雷・刀に関する神が化生している。
葦原中国平定の段では、天穂日命(あめのほひ)、天稚彦(あめわかひこ)に次ぐ三番目に葦原中国に派遣する神を選定する際、思兼神(おもいかね)が、伊都之尾羽張神かその神の子の建御雷之男神を推薦している。天尾羽張神は天安河の水を逆にせき上げて道を塞いでおり、他の神はそこへ行くことができないので、天迦久神が使者として遣わされた。伊都之尾羽張神が、建御雷之男神の方が適任であると答えたため、建御雷之男神が葦原中国に派遣されることになった。
『日本書紀』の葦原中国平定の段の本文で武甕槌神が登場する際、天石窟に住む神である稜威雄走神(いつのおはしりのかみ)の四世の孫であると記されている。稜威雄走神は天之尾羽張神の別名と見られる。
「伊都」「稜威」は威力のことで、「尾羽張」は「尾刃張」で、鋒の両方の刃が張り出した剣の意味であるらしい。(ウィキペディア)
境内・社叢
注連柱・鳥居 社号標
手水舎 参道石段
二の鳥居
狛犬
拝殿 拝殿扁額
本殿左境内社 廿原神社・稲荷神社 本殿と右境内社 日宮八幡宮
本殿左境内社の奥に稲荷神社の祠がある。
右手の石段上境内社 火守神社
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