七美郡(旧村岡、美方町)の式内神社

式内社を訪ねることはかつての村々の歴史を知る貴重な手がかりだ。

黒野神社 (式内社 志都美神社)と伊曽布神社を訪ねた。(神社についてはライブラリーへhttp://sakezo.jp/http://lib.sakezo.jp/gallery/)

どちらも旧郷名神社である。志都美は七美郷、伊曽布は射添郷。万葉仮名であり、志都美、伊曽布の漢字自体に意味はないものである。

美方郡(七美郡、二方郡)は中国山地の東端に当たり山陰道最大の山岳地帯で難所だ。また但馬牛の産地で但馬杜氏のメッカである。現在は国道9号が改修され長いトンネルが貫きスピードアップされたが、八鹿を過ぎると鳥取県までに八木谷峠(但馬トンネル)、春来峠(春来トンネル)、蒲生峠(蒲生トンネル)なそ難所多い。但馬に生まれ暮らしていてもあまり知らないだが鳥取へ一週間に一度は行く用事があるので、むしろいま興味が沸いている。

美方郡は現在でも豊岡市や養父市、朝来市よりも学校、医療、仕事や買い物は鳥取市内が多い。

桜井勉著「校補但馬考」によれば、

七美郡

兎束 七美 小代 射添 駅家 以上五郷
延喜式神名帳 七美郡十座、弁小
多他神社 小代神社二座 志都美神社二座
伊曽布神社 等余神社 高坂神社 葛野神社 春木神社
今延喜式を考えるに、八座のみあり。
と書いてあるのであとの二社は明治にはすでに不明。

七美郡も現在の小学校区が旧村ごとに名前を残している。七美郡と二方郡が合併し美方郡に、駅家郷は、養父市関宮町の中心部と中瀬地区の旧郷名。兎束は福岡地区。七美郷は村岡地区。小代は香美町合併で旧美方町が小代区として復活した。