式内 水度神社

投稿者: kojiyama 投稿日:

Contents

概 要

社 号 水度神社
読み みと

明治以前は「天神宮」「三度天神宮」「天満宮」「寺田天神」等と称した
延喜式神名帳 式内社 山城国久世郡 水度神社三座 鍬靫

所在地 京都府城陽市寺田水度坂87
御祭神 天照皇大神(あまてらすおおみかみ) 高皇産霊神(たかみむすびのかみ) 和多都美豊玉姫命(わたつみとよたまひめのみこと)
天照高彌牟須比命(アマテルタカミムスヒ)・海神(ワタツミ)・豊玉姫命(トヨタマヒメ)『山城国風土記・逸文』
天照高御魂神(アマテルタカミムスヒ)・海神(ワタツミ)・豊玉姫命(トヨタマヒメ)『延喜式頭注』(皇学叢書-1927)
ともいう。
例祭日 9月30日

社格等

古代社格制度『延喜式神名帳』
畿内:658座(大231座・小427座)
山城国 式内社122座 大53座(並月次新嘗・就中11座預相嘗祭)・小69座(並官幣)
久世郡 24座(大11座 小13座)
式内社

近代社格制度 旧府社
創建     平安時代初期
『山城国風土記』逸文(713)に「山城国風土記に云う 久世郡水渡の社(祇っ社)」とあり、平安初期(9世紀初頭)より早い奈良時代初期(8世紀初頭)には存在していたと思われる。
本殿様式   一間社流造附棟札8枚 桧皮葺破風様式(千鳥正面破風、正面一間、側面二間)

境内摂末社(祭神)

十社
天満宮社 日吉神社 太神宮社 加茂神社 八幡神社 厳島神社 松尾神社 稲荷神社 春日神社 竜王神社

文化財

本殿 国重要文化財

一口メモ

府道69号線の城陽市役所前を東へ神社までまっすぐ参道の車道が延びている。

歴史・由緒等

創祀の年代は平安時代初期と伝う。史実によれば貞観元年(859)従五位下の神位を授けられ、延喜の制には小社に列せられる。明治6年村社、同15年郷社、同40年府社に昇格、現在は社格廃止され神社本庁に属する宗教法人水度神社と称する。
旧地は境内領東に往古鴻(こうのとり)が巣を結んだ鴻の巣山の峰続きにあたる大神宮山であったと伝う。現在の地へは鎌倉時代の文永5年(1268)に旧地より遷し奉り今日に及ぶ。由来寺田郷の産土神として氏子の信奉篤く近年近郷よりの参詣者もその数を増す。
本殿は正面一間、側面二間の変化に富んだ流れ造り破風様が(千鳥正面破風)で簡素にして優美な建築である。社殿棟札(十分)によれば室町時代の文安五年(1448)の建立になる。その後檜皮葺替えの修理を重ね今日に至る。現在は重要文化財に指定されている。

「社頭掲示板」

城陽町史(1969)には
「水度とは水処、すなわち水の侵しやすい処をいったものであるから、当社は水防の神として、または農耕の守護神として創祀されたものであろう。
されば、かかる山の中腹にあって水とは一向縁のないのが訝しいが、これは別の処に祀られていたのを後世この地に遷したものであろう」
と記し、式内社調査報告(1979)は
「水主氏一族(火明命を祖とする一族-下記)が、当地一帯の治水作業の過程で本社が創祀されたものと思われる」
という。

延喜式で三座というのは、風土記にいう天照高彌牟須比命を二座とみて祭神・三座としたもので、“祇っ社”(国つ神を祀る社)と注記することから、本来の祭神は天照彌牟須比命(アマテルミムスヒ、天照御魂神とも記すことが多い)と和多都美豊玉姫(水神)の二座ではないかとの説がある(日本の神々5・2000)。

「水度」は「三富」のこととして、“三富部氏(ミトベ)が創建・祭祀にかかわったのでは”という(特選神名牒-1876・明治初期)

三富部氏とは、新撰姓氏禄(815)に、
「山城国神別(天孫) 三富部 火明命(ホアカリ)之後也」
とある氏族で、同じ火明命の裔とされる海部氏(宮津・薦神社の社家)に伝わる勘注系図(伝885–89・国宝)には、
「水主氏(ミヌシ)・雀部氏(ササキベ)・軽部氏(カルベ)・蘇宣部氏(ソガベ)・三富部氏は玉勝山代根子命(タマカツヤマシロネコ・火明命9世孫)の裔」
との注記が、また、ヤマシロネコの曾祖父にあたる建田勢命(タケダセ・火明命6世孫)の項は
「孝霊天皇の御宇、丹波国丹波郷で宰(ミコトモチ-地方長官)と為って奉仕、その後、山背国久世郡水主村(現城陽市水主地区)に移り座す。・・・後更に大和国(葛木附近らしい)に移り座す」(大意)
との注記があるという(その後、その本流が尾張国に移り尾張氏-尾張国造-となったという)。
丹波国から当地へ移ったのが建田勢命か後の世代かは不詳だが、3代後のヤマシロネコの後裔氏族(尾張氏系)が当地一帯に多いことから、その世代までには当地に移っていたと推測され、これら後裔氏族が関与する式内社として、当社以外にも水主神社(水主氏、城陽市水主宮馬場)・荒見神社(三富部氏・城陽市富野荒見田)・室城神社(榎室氏・久御山町下津屋)がある。

「戸原のトップページ」さんより

境内・社叢

  
一ノ鳥居・社号標「府社 水度神社」


ニノ鳥居


社頭案内板

  
手水舎                      拝殿

   
瑞垣脇狛犬

  
拝所                       本殿

末社10社 参道左手(手前から)

  
最前部の境内社 龍王神社             古い社号標


水戸永大明神

  
稲荷社                      稲荷社

  
三社                       春日神社


天地神祇

  
日吉社                     大神宮社


松尾社

似ているので社名と写真が一致していないかもしれない

地名・地誌

地図

交通アクセス・周辺情報

JR奈良線・城陽駅の北北東約700m

参 考

「戸原のトップページ」さん、「延喜式の調査」さん


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