2.境内の造り
Contents
境内の施設
鎮守の森という森林に囲まれていることが多い神社の入口には、境内(聖域・神域)と俗界の境界を示している『鳥居』の門があり、その奥の社殿にまで『参道』が長く通じている。
鳥居には入り口の正門に当たる『一の鳥居』だけではなく、それに続く『二の鳥居』など複数ある神社もある。
鳥居について、くわしくは、6.鳥居とその種類
参道のそばには身を清める
社殿は本殿(神殿)や拝殿からなる。人々が普段参拝するのは拝殿で、神体がある本殿は拝殿の奥にある。本殿と拝殿の間に参詣者が幣帛を供えるための幣殿が設置されることもある。
神社の敷地(境内)には、その神社の祭神に関係のある神や本来その土地に祀られていた神を祀る摂社や、それ以外の神を祀る末社があり、両者をあわせて摂末社という。境内の外にある摂末社は境外社と呼ばれる。(伊勢神宮においては、末社を所管社と称している)
また、神仏習合が始まる奈良時代以降は、神社の境内に神を供養する神宮寺(別当寺、宮寺)が建てられたり、神社内に寺院が建てられたりしたが、明治初期の神仏判然令(神仏分離令)により、神社と寺院は分離され、神社の境内の五重塔や仏堂などは撤去され、僧侶と神官も区別された。
*1 手水舎の読み方は、ちょうずやの他に、ちょうずしゃ・てみずや・てみずしゃ。
神社の付属施設
多くの神社に共通する施設
鳥居(とりい)
参道(さんどう)
燈籠(とうろう)
狛犬(こまいぬ) – 神使、眷属の石造。
手水舎(ちょうずや) – 身を清めるための手水が用意されている。
社殿(拝殿・幣殿・本殿・神殿(ほんでん・しんでん)、摂社・末社については、別記
他の付属施設
神門(しんもん)
神社に設けられる門。大きな神社では、楼門、勅使門、随神門など目的によって呼び方が異なる場合があります。
楼門
門の一種で、二階建てで上部に屋根をもつもの。
春日大社(奈良市)南門 楼門
勅使門
勅使が寺社に参向した時、その出入りに使われる門。
式内(名神大)粟鹿神社勅使門(兵庫県朝来市山東町粟鹿2152 式内赤淵神社勅使門(兵庫県朝来市和田山町枚田上山2115)
随身門(ずいしんもん / ずいじんもん)
随身とは平安時代以降、貴族の外出時に警護のために随従した近衛府の官人であるが、神域に邪悪なものが入り来るのを防ぐ御門の神をまつる門のこと。お寺であれば「仁王門」。
當勝神社随身門(兵庫県朝来市山東町粟鹿1748)
絵馬殿(えまでん)
小規模な神社では神馬の世話などが重荷となること、また高価であり献納する側にとっても大きな負担となることから、絵馬などに置き換わっていった。その絵馬を飾る建物。
府社 大原神社(京都府福知山市三和町大原191-1)
神馬(しんめ/じんめ)
神社に奉納された神が乗るとされる馬、あるいは祭事の際に使用される馬を指す。
和泉国一宮 名神大 大鳥大社(大阪府堺市西区鳳北町1-1-2)
御旅所(おたびしょ) 神社の祭礼(神幸祭)において神(一般には神体を乗せた神輿)が巡幸の途中で休憩または宿泊する場所、或いは神幸の目的地をさす。巡幸の道中に複数箇所設けられることもある。御旅所に神輿が着くと御旅所祭が執り行われる。
遥拝所(ようはいしょ) 遥拝とは遠く隔たった所から拝むことで、江戸時代、村人が遠い伊勢神宮へお参りするのは憧れで、一生に一度あるかないかの名誉な大仕事だった。御講を積立て村の代表者がお伊勢参りを行っていた。境内に伊勢神宮遥拝所が置かれているのは伊勢神宮に行けない人々が伊勢神宮の方向へ拝むためのもの。伊勢神宮遥拝所の他には神武天皇遙拝所も多くの神社に設けられている。神武天皇の陵墓、神武天皇を祭神にした橿原神宮がある奈良県橿原市の方角に向いている。なぜ神武天皇なのかというと、西暦1940年(昭和15年)は初代神武天皇が即位して2600年目の年である「皇紀2600年」にあたる年で日本国内で様々行事が行われていたから。
社務所(しゃむしょ) 神社を管理するための建物。
神社建築
1.社殿の成立
2.境内の造り
3.神社の建物構成と名称
4.社殿の様式
5.神殿(本殿)の部位
6.鳥居とその種類
7.塀・玉垣
8.狛犬
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