6.鳥居とその種類

『広辞苑』によると、鳥居とは、「神社の参道入口に建てて神域を示す一種の門」である。

起 源

鳥居の起源については諸説あり、確かなことは分かっていないが、単に木と木を縄で結んだものが鳥居の起こりであると考えられる。文献によれば、古くは「於不葦御門(うへふかずのみかど)」(皇太神宮儀式帳)と称して、奈良時代から神社建築の門の一種としている。いずれにせよ、8世紀頃に現在の形が確立している。参道入口に注連縄柱(しめなわばしら・注連柱)がある神社があるが、その原型に近いものである。

文献によれば、古くは「於不葦御門(うへふかずのみかど)」(皇太神宮儀式帳)と称して、奈良時代から神社建築の門の一種としている。いずれにせよ、8世紀頃に現在の形が確立している。

主要な説として、天照大御神(あまてらすおおみかみ)を天岩戸から誘い出すために鳴かせた「常世の長鳴鳥(とこよのながなきどり)」(鶏)に因み、神前に鶏の止まり木を置いたことが起源であるとする説などがある。


桧原神社注連柱(奈良県桜井市)

構 造

平野神社(京都市北区)

鳥居は日本の立て柱と横木(笠木・島木・貫)から成っている。工法上から見ると、柱のまま土の中に入っているもの、柱の下に置く台石の上に柱が建っているものがある。円柱のままのものと角型のものがあり、形式上からは、最上部の横木の両端が反り上がっているもの、または直線状のもの、装飾的に屋根がついているもの、文様を付したものなど、さまざまな形がある。コンクリート製のものもある。

形式上の種類

鳥居の分類は大別すると、柱や笠木など主要部材に「照り」や「反り」、(柱の円柱加工を含まない曲線を表す加工)があるかないかである。

  • 照りや反りが施されない代表的な例 神明鳥居(しんめいとりい)
  • 照りや反りが施された代表例 明神鳥居(みょうじんとりい)

檜の樹皮をむいた磨き丸太を使った鳥居。2本の円柱の上に円柱状の円柱状の笠木(かさぎ)をのせ、下に貫(ぬき)を入れた直線的な鳥居。照りや反りが施されない。神明系の鳥居の特徴は、島木がないこと、ころび*1がないこと、額束がないことがあげられる。伊勢神宮に代表される神明造りの神社に多く用いられる。

神明鳥居

2本の円柱の上に円柱状の円柱状の笠木(かさぎ)をのせ、下に貫(ぬき)を入れた直線的な鳥居。照りや反りが施されない。伊勢神宮に代表される神明造りの神社に多く用いられる。

    • 伊勢鳥居 笠木が五角形になっている。
    • 鹿島鳥居 貫が四角で、柱から出ている。
    • 靖国鳥居 貫が四角になっている。

伊勢鳥居

笠木の断面が五角形で、貫と柱の間に楔(くさび)が入って固定されている。さらに内宮および外宮の鳥居は、柱の下に小石を敷き根巻きを施してあり、他の神社では使用されていない独特の方法が取られている。


伊勢鳥居 皇大神宮(伊勢神宮内宮・三重県伊勢市)

また神明鳥居は柱が地面から垂直に建てられるが、明神鳥居は、柱が垂直ではなく、中心に向かい中に傾斜している“ころび”がある。

  • 黒木鳥居

神明鳥居が柱・笠木・貫のいずれも樹皮をむいて使用するのに対し、黒木鳥居は、樹皮のついたままの丸太材で建てられた、最も原始的な形の鳥居。

野宮神社(京都市右京区)

  • 靖国鳥居

招魂鳥居、二柱鳥居などとも呼ばれ、貫が断面長方形の四角になっている。靖国神社、全国の護国神社

  • 鹿島鳥居

貫が四角の角材で、柱を貫通している。額束がない。鹿島神宮(茨城県)、香取神宮(千葉県)など。

  • 宗忠鳥居

柱と笠木が丸太材、貫は角材を使用し、その貫が柱の両端に突き出ているのは鹿島鳥居と同じだが、こちらは額束があり、貫に楔を打ち込んである。

宗忠神社(京都市左京区吉田下大路町63)

  • 城南宮鳥居(じょうなんぐうとりい)

基本型は神明鳥居に属するが、柱下に饅頭があり、棟の部分に島木・笠木を重ねて、さらに屋根を葺いている。その島木の正面中央に神紋の金具が打たれている。

城南宮(京都市伏見区中島鳥羽離宮町7)

三柱鳥居(みはしらとりい) 神明鳥居を3基組み合わせたものをいう。正三角形平面に組み合わされ、隣り合う鳥居同士が柱を共有するため柱は3本である。


蚕の社・木嶋神社(式内木島坐天照御魂神社・京都市右京区太秦)

明神鳥居

2本の柱の上に笠木(かさぎ)、2層の水平材とする場合に上層の笠木に接して島木(しまぎ)を渡す。その下に貫(ぬき)を入れて柱を固定した一般的な鳥居。明神系のほうが、装飾性が強いのが特徴。材料は木材(檜・杉など)で造られた「木鳥居」、石で造られた「石鳥居」、銅板で全体を葺いた鳥居を「銅鳥居・金鳥居(かなどりい)」という。


明神鳥居 橿原神宮(奈良県橿原市)

明神鳥居に代表されるもの

笠木の断面が五角形、貫が角材で建てられているのは伊勢鳥居と似ているが、笠木と島木がともに、その両端が垂直に切り落とされ、柱径が太く、わずかに内側に傾き、柱と島木の接合部分に楔を付けている。春日大社の一の鳥居も本来(768年建立当時)は笠木は反りがなかった。


春日大社一の鳥居(奈良市)

 春日鳥居の一様式で、笠木の端が斜めになっている。

台輪鳥居ともいう。島木の下に台輪がある。明神鳥居から変形した建立の仕方で、柱と島木との接点の部分に、一枚の「座」をはめているところに大きな特色をもっています。
そして、この「座」を台輪と称して、柱の上部から腐っていくことを防ぐための手法から生まれたものです。
実際に腐蝕を防ぐために役だっているのかどうかは不明ですが、太い柱と細い島木との間にあり、調和のとれた建立となっています。

明神鳥居の笠木の上に破風を付けたもの。破風鳥居ともいう。

柱に袖柱が付属している。厳島神社など


墨坂神社両部鳥居(奈良県宇陀市)

三ツ鳥居ともいう。左右に脇鳥居が付属している。大神神社など


大神神社摂社 桧原神社(奈良県桜井市)

島木と柱の間に台輪を持ち、 島木と貫の間の額束が山形(合掌している形)になっている。これを破風扠首束はふさすづかという。

貫 (ぬき) の両端が柱から外に出ないことと、柱が四角。

宇佐神宮の鳥居で額束がない。笠木に桧皮葺の屋根をかける。

鳥居の作法

ちなみに、鳥居から社殿に続く道を参道と言いますが、その中央は、正中といって、神の通り道とされるので中央を避けて歩くのが作法とされています。

神社・鳥居の数え方

一般的には、ひとつ、ふたつと数えるが、物の単位の数え方でいうと、“一基”、“二基”と数える。
また、神社の参道にいくつか建てられている場合は、社殿に遠い方から“一の鳥居”、“二の鳥居”、“三の鳥居”と呼ぶ。ただし、伊勢神宮では“第一鳥居”、“第二鳥居”と呼ぶ。

また、神社は“座”または“社”で数える。古く延喜式神名帳で座とは本殿の御祭神のことで、養父神社のように御祭神の数が多い神社は、夜父坐(ヤフニイマス)神社五座と記されている。

鳥居の雑学

  
大神神社大鳥居(奈良県桜井市)         出雲大社大鳥居(島根県出雲市大社町)

日本一の大鳥居は、和歌山県の熊野本宮大社で高さ33.9メートル。次点は奈良県桜井市の大神神社の一の鳥居で、鋼管製。(左)高さ32.2メートル。三位が新潟県弥彦神社の30.16メートル。

(右)出雲大社大鳥居は鉄筋コンクリート製で、高さは出雲大社本殿より少し低い23,5メートル。額面は畳6畳敷きもある。

神社建築

1.社殿の成立
2.境内の造り
3.神社の建物構成と名称
4.社殿の様式
5.神殿(本殿)の部位
6.鳥居とその種類
7.塀・玉垣
8.狛犬

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